くさ玉との出会いから数年

くさ玉との出会いから数年

記憶する限り、「くさ玉」と出会ったのは高校生のころだった。咳き込んだ時に喉の奥に異物感を感じた。洗面台にいってその異物を唾液と一緒に吐き出すと、5ミリ程度の少し黄色がかった白い玉のようなものが出て来た。

 

そして、それはびっくりするほど臭かった。衝撃の臭さである。

 

その玉はその後も時々出てくるようになった。意識するようになると、まだそれがのどの奥にある時点で「臭い」と分かることもあった。私は人知れずそれを「くさ玉」と名付けた。高校生、それは繊細な年頃である。誰にも相談できずに、それが出てくることを恐れていたのだ。

 

そんなある日、高校で友人がその「くさ玉」について堂々と語っていた。「私は一人じゃなかった」そんな感動すら覚えた。そして、彼女と2人きりの時に「実は私も…」と打ち明けたのであった。大学生になり、インターネットにアクセスできるようになると、「くさ玉」の正式名称は「膿栓」で、喉の奥のデコボコに溜まるゴミ(細菌をやっつけたものや食べ物のカス)であることが分かった。

 

よく観察すると、よく「くさ玉」が自分の喉のどのあたりにできやすいかも分かるようになってきた。ついには、早期発見をして、うがいによって出すという技も上達した。付き合い方を学んで、多少は悩みは小さくなったが、「くさ玉」は一生できなければできない方がよいと断言できるほどの異臭を放る存在である。しぶしぶこれから「くさ玉」と付き合っていこうと思う。